2020/02/22-23八ヶ岳(第51期氷雪技術講習会実技に参加しました)

八ヶ岳の黒百合平付近に於いて氷雪技術訓練の実技が実施され山の会「くらら」から4名参加しました。

【山域】八ヶ岳
【山名】天狗岳(2,646m)
【行程・天気】
*2/22(土)曇りのち雪・強風:尾張旭5:00→駒ヶ岳SA6:40→渋の湯P8:50/9:10→黒百合ヒュッテ12:25→テント設営15:00→雪上訓練→夕食→就寝20:00
*2/23(日)雪・強風のち曇り・晴れ:4:45起床→朝食→出発7:35→中山峠→岩場の先まで8:05→テント場8:20→コーヒータイム→テント撤収→下山開始→渋の湯P13:25→縄文の湯→尾張旭

【状況】
<一日目>
渋の湯温泉からテント幕営地黒百合ヒュッテを目指す。 最初の橋を渡ってすぐの登りから、少し積もった雪の下がカチコチに凍っていて角度のついたスケートリンクのようによく滑る!ということでアイゼン装着。


午後からは風も強くなり降雪もありそう!
さっさと幕営地についてテントを張りたいと思っているのに、雪山装備とテント泊装備、食料の入ったザックの重さに歩みの速さはまさに「牛歩」。いや、牛が聞いたら「モー、俺たちのほうが早いよ失礼な」と言うのではないか?と思うほど。


降り出した雪の中を一歩一歩を重ね標高を上げてゆくと目の前に黒百合ヒュッテがあらわれた。


風がだいぶ出てきたので急いでテントを立てる。
竹ペグを埋めるために雪を掘るとすぐ下が氷で厚く固い。ピッケルで十数センチなんとか掘って埋める。
やっと一つ目のテント設営、もう一つのテントに取り掛かる。
その時、突風がびゅうっと吹いたと思ったら先ほど設営したテントが浮いていた!メンバーの一人ががっとキャッチ。

設営したテントにザックを入れていなかったこと、竹ペグが浅かったことなど反省しながら再び2つのテントを設営。今度はさらに深く掘り、雪を踏み固めてようやく2つのテントを設営した。


昼食を終え、午後からは黒百合平南側にある斜面にて実技。 雪をけりこみ歩行技術を学びながら登り、天狗の奥庭手前の斜面で滑落停止訓練。


テントに戻り夕食準備、塩鍋を作った。
暖かい鍋を囲みながらの山談義、こんな風に濃密に他会との交流ができることは今まであまりなかった。時間はあっという間に過ぎていった。


<二日目>
夜中強風と雪、朝になっても強風と雪は続き熱い雲が立ち込めていた。朝食はトマトリゾットを作って食べた。


訓練は東天狗岳から西天狗岳の予定ではあったが強風のため、「森林限界超えるところまでは行って強風の体感ができたら」ということでまずは中山峠を目指して講師2名と参加者2名で出発した。2名はテントに残る。


中山峠を過ぎ急登を登り切った岩場に出た瞬間に冷たく刺すような風が襲ってきた。耐風姿勢を取っても強風に耐えきれず前に進むつもりが体は横へ、真っ直ぐ歩くのもままならない。
前方からは登ることを断念して引き返してきた若者達、全身雪で真白になっていた。

講師から「強風も雪山の厳しさも体験できたと思います。これ以上進むのは危険と判断します。引き返しましょう」の声。残念だけれど内心ホットした。

テント場に戻り、黒百合ヒュッテでストーブを囲み皆で温かいコーヒーを頂きホット一息。


テント撤収、積もった雪と深く掘って踏み固めた竹ペグの掘り出しには苦労したが貴重な経験になった。


全員揃って黒百合ヒュッテ前で記念撮影をして下山開始。

下山途中からあの厚い雲が切れ太陽が顔を出してきた。明日は振替休日、そして天気も回復する予報、登ってくる多くの登山客とすれ違った。

【感想】
今回の氷雪技術講習会では、たくさんの教え、経験、失敗から様々なことを学ぶことができた。そして、やはり冬山は何より体力が必要。自然と向き合い、しっかり歩けるように体力作りに励みたい。
一番重いザック背負って頂いた講師に感謝、ありがとうございました。