2019/8/2-4 南八ヶ岳縦走 夏山合宿⑦


【山名】西岳2,398m、権現岳2,715m、赤岳2,899m、硫黄岳2,760m、阿弥陀岳2,805m他
【山域】八ヶ岳連峰
【ルート】船山十字路~西岳~権現岳~赤岳~横岳~硫黄岳~阿弥陀岳~船山十字路

【状況】

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南八ヶ岳の荒々しい岩峰を巡る縦走周回合宿、船山十字路からのスタート、踏み跡のはっきりしないうっそうとした木立の中を行く。まとわりつくアブを払いながら、4時間登り続けて山頂に着くが、展望はなく、雨も降りだした。小屋手前乙女の水は冷たく水量も多く、長い道を歩いてきたメンバーは水を飲み顔を洗ってリフレッシュした。青年小屋には水はない。しかし明るいスタッフの対応と美味しい食事に癒される。乾燥室のジェット熱風ヒーターであっという間に濡れた衣類が乾いた。

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翌朝6時、「核心部へ向かいます」とのリーダーの挨拶に身が引きしまる。ヘルメットをかぶって行く道は、すぐにゴツゴツした岩場や、岩石の積み上がるガレ場となり、緊張を強いられる。石を落とさないよう慎重に足を置く急登には、高山でしか見られない可憐な花々が咲く。

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権現岳で展望を楽しんだ後、キレット小屋では雲が出始める。鎖と梯子の連続、赤岳ではもう山は霧の中、横岳付近ではしきりに鳴る雷と雨に怯える。だが岩を覆い尽くすコマクサの群は圧巻だし、雲間に現る山並を見れば、この理想郷のような別天地に来られた喜びがこみ上げる。

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ここに来るためのトレーニング山行、訓練の日々、そして今、年齢も経験も違う9名が助け合いながら行く合宿だ。広々した硫黄岳山頂を下りれば樹林帯、12時間近くかけて付いた赤岳鉱泉では、熱い温泉が待っていた。

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最終日は快晴、行者小屋からは今まで歩いてきた稜線がはっきりと見えた。見上げる阿弥陀岳の岩壁をゆっくりと登り、空の真ん中に立つ。360度に展望が開ける雲上世界で、遠くの山々を存分に眺め、あとは景色を見ながら急勾配を下る。

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長い樹林帯では、山野草に足を止めつつ山との別れを惜しんだ。けがも体調不良もなく、予定より1時間早く下山することができ、素晴らしい経験となった合宿だった。